パパだって三鷹の森ジブリ美術館に行きたいっ!

子供から大人まで多くのファンを持つ“ジブリ”の世界。それをまるごと体験できるのが、東京にある「三鷹の森ジブリ美術館」です。子連れのお出かけスポットとして根強い人気がありますが、その秘訣は、裏付けされた細かいマーケティング戦術があるからこそ!? 今回は、それをさまざまな角度から探ってみましょう。

立地さえも味方、自然と共存しよう

まずは、ジブリ美術館の立地に注目してみましょう。建てられたのは、東京の三鷹市。古くからは武蔵野と呼ばれるこの地域には、日本さくら名所100選でも有名な「井の頭恩賜公園(通称:井の頭公園)」があります。ジブリ美術館が位置するのは、その広い井の頭公園の一部である西園の園内。西園付近は、別名「小鳥の森」とも呼ばれ、自然の雑木林を楽しむことが出来る素晴らしい場所です。この森は、ジブリの世界ともイメージが酷似しているうえ、「自然と共存する美術館にしていきたい」という、館主・宮崎駿の願いにマッチした最高の立地環境だと言えるでしょう。そして、この深い森の中にあるからこそ、美術館のキャッチコピー『迷子になろうよ、いっしょに。』という、神秘的で不思議な言葉が引き立つのです。さらに、交通の便もよく、JR三鷹駅南口からは2路線のコミュニティバスが運行。スタジオジブリがデザインした可愛らしいバスも、来館する子供たちの高揚感を盛り上げています。

秀逸すぎる! カフェ「麦わらぼうし」のメニューたち

すべてがジブリの世界観、そして、宮崎駿が掲げるコンセプトを忠実に守るジブリ美術館ですが、特に子供たちがその魅力を感じることができるのは、併設されたカフェ「麦わらぼうし」ではないでしょうか。季節ごとに発表される新メニューはもちろん、定番メニューの秀逸さは、ぜひ見習いたいところです。例えば、「ふぞろいイチゴのショートケーキ」はその1つ。スポンジの間にまで生クリームがたっぷりで、名前の通り、不揃いながらもたくさん並んだイチゴがキュートです。このように、メニュー名にあえて“ふぞろい”であることを明記しておけば、コスト削減につながりますし、個性的で印象深いネーミングにもなりますね。そのほか、「くいしんぼうのカツサンド」や「麦わらぼうしのチョコパフェ」も大人気。想像を超えるボリュームに、子供たちは見るだけで大興奮してしまうようです。しかも、“大きい”ということは、親子一緒にシェアして食べられるということ。1つのお皿から、美味しいものをみんなで食べられることは、お出かけした思い出の“共有”につながり、絆も深まりそうです。この辺りも、メニュー名や盛り付けにこだわるだけでなく、食べるシチュエーションやその後の話題づくりまでを想定した、巧みなマーケティングと言えるでしょう。

“リアルな実体験”こそが、想像力の翼になる

ジブリ美術館は、黙って鑑賞する普通の美術館ではありません。もちろんジブリ作品を見て楽しむこともできますが、一番の特徴は、子供たちの思い出として強く印象に残る、“リアルな実体験型”の展示物があることです。まずは、この美術館の代名詞とも言える人気作品『となりのトトロ』に登場する人気キャラクター、ネコバス。専用スペースの「ネコバスルーム」には、小学生以下なら遊べる、実物大(?)よりちょっと小さめのネコバスが用意されています。ふわふわのネコバスは、中に入っても、上に乗ってもOK。物語でしか会えないと思っていたネコバスに実際に乗れるなんて、大人でもうらやましくなる体験ですね。次に、ネコバスルームの脇から螺旋階段を上ってたどり着く場所は、なんと屋上庭園。ここでは、『天空の城ラピュタ』に登場したロボット兵がお出迎えしてくれます。その大きさは、約5メートル! 近くには、ラピュタを操作するために使った黒い石も設置してあり、誰もが登場人物の気分に浸れます。また、中庭には、薪割り小屋や本物の井戸水を飲むことができる手こぎポンプ式の井戸もあり、そこかしこに細かな美術設計がされているのです。ジブリの世界観が損なわれることのない、このリアルさだからこそ生まれる豊かな感情は、子供たちのインスピレーションを刺激し、遊びながら想像力を育んでくれることでしょう。

さいごに

いかがでしたか? 来館者の満足をマーケティング目線でしっかりと考えつつも、手抜きなくジブリアニメの再現を心がける。これこそが人気の秘訣であり、子供たちに大きな夢を描かせる原動力となり得るのかもしれませんね。

 

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