アルメニア チェスを義務教育化でIQアップ!?

チェスというと日本人には、馴染みが薄いゲームかもしれません。ルールの複雑な知性派のゲームというイメージで、近寄りがたく感じてしまう人も多いのではないでしょうか。ところが欧米では、公園で見知らぬ人同士がカジュアルにチェスを楽しむ姿をよく見かけます。世界的に見ると、囲碁や将棋のような盤と駒を使うボードゲームのなかで、チェスは競技人口が突出しており、老若男女に親しまれています。そのチェスを、世界で初めて義務教育の過程に組み込んだのがアルメニア。今回は、アルメニアのチェス事情と、チェスが教育に与える影響をお話しします。

アルメニアではチェスは最高のゲーム

アルメニアは、トルコの東に位置し、面積は日本の13分の1という小国。世界最古のキリスト教国で治安も良いといわれています。チェス大国としても知られており、少ない人口にもかかわらず、国際チェス連盟が付与する最高位の称号、グランドマスターを多数輩出。 チェスオリンピックでは、強国のロシアや中国を下し優勝した経験もあります。アルメニアでは、有名なチェス競技者は、まるでスポーツのスター選手のような人気ぶりです。

2011年、アルメニアは、小学校でのチェス学習の義務化を決定しました。小学校の2年生から週に2回30分のチェスの授業を開始し、4年生の終了までに実践的な対戦ができることを目指します。アルメニアのチェスアカデミーの会長は、この義務化に関して「チェスはごまかしが利かないゲームで、公正に戦うことを教えてくれます。7歳の子供にも考えて決断を下す、という機会を与えてくれる。長期の集中力を要する最高のゲームのひとつといえるでしょう」と語っています。

思考力の発達に高い効果

チェスは、アルメニアのみならず、欧米でも教育に有効であるという研究結果が多数発表されています。アメリカを代表する医学校のジョン・ホプキンス大学の研究では、8歳〜9歳の子供の思考力は急速に成長し、その時期においてのチェスの学習は、イメージの視覚化、分析力、論理的考察の発達において非常に有益であると発表しました。またスペインの心理学研究者らは、6歳から16歳までの子供に定期的にチェスを学習させ、チェスをしていない子供と比較。チェスを学習した子供のほうが、IQのスコアが高く、認知能力、対処能力、問題解決能力、感情表現において優れていたという結果を導き出しています。

世界中の相手と対戦できる

チェスと似たルールを持ち、同じく盤と駒を使うゲームである将棋や囲碁でも、同等の効果があると考えられています。実は、日本のチェスランキングの一位の保持者は、棋士の羽生善治名人なんです。とはいっても、将棋や囲碁をお子さんにすでに習わせているご家庭というのは、あまり多くないとは思います。もし、これから始めるとすれば、チェスを考えてみてはいかがでしょうか。現在は、チェスのコンピューターゲームがあり、対戦相手に困ることはありません。また、利点として、囲碁や将棋に比べチェスは世界で親しまれており、競技人口が7億人もいること。海外に訪れた場合、言葉が通じなくてもすぐに対戦することが可能です。アメリカでも、近年チェス人気は高まっており、小学校でチェス大会も頻繁に開催されるなど、子供たちの教育に浸透しています。世界中のプレイヤーと交流できるチェス、ぜひ知育玩具として取り入れてみてください。

 

参考: