iPad必須!スティーブジョブズ スクール

ここ数年、教育現場ではiPadなどのタブレット端末の導入が、世界的に広がっています。 今回ご紹介するのは、そういった時代の流れの最先端を行くオランダの初等教育の学校、その名も「スティーブ・ジョブズ・スクール」。あのアップル社の共同設立者スティーブ・ジョブズの名を冠しています。2030年とその先を見据えているというスクールの革新的な教育内容を覗いてみましょう。

従来の学校のルールに縛られない制度

スティーブ・ジョブズ・スクールは、2013年に開校した新しい学校。アムステルダムやアルメールといった都市を中心に、オランダ国内に22校があり、一校につき150人前後の生徒が在籍しています。スティーブ・ジョブズが設立に関わっているわけはではなく、彼のような未来を変革する創造性豊かな人物を育てたい、という思いを込めて命名されました。

この学校のユニークなところは、従来の学校に存在するようなルールがほとんどないこと。学年分けはなく、生徒は、4歳〜7歳、8歳〜12歳のグループに分かれています。授業開始や終了の時間が決められておらず、学期も分かれていないため、 夏休みなどの定められた長期休暇がありません。生徒は、通年で一定の学習時間を保てば、自由な時間に登下校し、自分の休暇を設定することができます。

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自主性を重んじ、ゴールを明確にする学習

授業では、基本的に紙ベースの教材を使わず、学習の45%が、iPadを使って行われています。 教育方針の最大の特徴とも言えるのが、学習内容を生徒自身で決めること。まず生徒は、教師とともに自分が勉強したい分野を話し合い、6週間分のプランとゴールを設定します。教師は、生徒をジャッジするのではなく「才能を伸ばすコーチ」としての役目を担い、生徒の主体性を重んじながら、興味を伸ばすようにサポート。 一人で達成できる学習だけでなく、グループでの取り組みや、プレゼンテーションが必要なものも取り入れるよう誘導します。そして、期限内にゴールを達成できるように促します。

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iPadの教材アプリを使った学習は、ゲーム感覚で基礎学力の向上が期待でき、ステージをクリアしていくと、ゴールに近づけるという達成感があると言われています。生徒が一同に黒板に向かう授業スタイルよりも、マイペースに勉強に集中することができるのも魅力。スティーブ・ジョブズ・スクールでは、算数や言語習得の分野において、特にその効果が顕著に見られ、注意欠陥障害のある子供の症状が改善されているようです。

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授業内容をデータ化し、シェアできる

デジタル技術は、子供の学力を伸ばすだけでなく、学校のシステム管理や、家庭との連携においても重要視されてきています。スティーブ・ジョブズ・スクールが独自に開発したアプリなら、生徒の学習内容はデータベースに記録され、生徒や教師がいつでもアクセスできます。デジタルで管理すれば、教師側は、プリントの配布やペーパー類の整理に追われることもなく、生徒の学習成績の把握と分析もしやすくなります。また、学習スケジュールなどの情報は逐一更新され、親にもシェアされます。親は外出中であっても、子供の学習の進行状況をチェックすることができるとあって、大人にも利点が多いのです。

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賛否両論あるものの今後も拡大の見込み

こうしたスクール運営が可能なのは、初等教育の自由度が高く、各校が独自の教育方針を打ち出しやすいというオランダならではのこと。設立からまだ2年で、学習成果の正式な調査結果が出ていないにも関わらず、入学希望者は増加しているそうです。ただ、実際のスティーブ・ジョブズは、自身の子供には一切iPadを使わせなかったとも言われています。まだまだ、デジタル優位の教育方針には、賛否両論があるものの、こうした取り組みが教育現場に新風を巻き起こしているのは間違いありません。このスクールが見据えている2030年までに、卒業生がいい結果を出してくれることが楽しみですね。

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参考: