寒さを吹き飛ばすフランスのカーニバル

春を迎える前に、フランスの街中を賑やかに彩るパレード。幼稚園でも、仮装した子供たちが近所を楽しそうに練り歩く姿を披露してくれます。そんな光景を生み出すパリのカーニバルと、フランス最大規模の北部の街「ダンケルク」のカーニバルについて、その由来や歴史に触れながら、ご紹介していきます。

カーニバルの由来

2月の寒い季節に、フランス全土で毎年行なわれるカーニバル。色とりどりの華やかな衣装が、一足先に春めいた気分にさせてくれます。子供も大人も、騎士やドレスのコスチュームに身を包み、中世時代の装いを披露しながら、街中を練り歩いていきます。

そもそもこの「カーニバル」は、キリスト教の伝統行事で、イエス・キリストが40日間断食したことに由来します。「謝肉祭」とも言われ、クリスマスから続いていた、肉を中心とした脂肪分の多い料理を食べてもよい時期の終わりを告げる行事なのです。ここから春の復活祭まで、肉を断つ食生活を送ることになるため、その前に豪華な食事を楽しむことでも知られています。

エコールの仮装、顔にはペインティング

カーニバルの時期には、フランス各地のエコール・マテルネル(日本の幼稚園に学校の要素を備えたもの)でも仮装行進が行なわれます。ほとんどのエコールでは、子供たちと一緒に先生が衣装を作ります。エコールで作る衣装の定番は、長方形の長い布を用意し、首の部分にだけ穴を開けて着るタイプのもの。これならば、裁縫なしに、飾りつけさえすれば衣装ができ上がります。

保護者があれこれと衣装を用意しなくても、幼稚園のほうで行事として準備してくれます。カーニバル当日は、エコールの周辺地域を歩きます。歩く道があらかじめ決められているので、仕事を抜けられる親たちは、最寄りのスポットで待ち構え、かわいい我が子の姿をひと目見ることもできます。また、用事がなければ、子供たちに付き添って行進に参加することも可能です。

フランスの子供たちが何より楽しみにしているのは、顔に施すペインティング。ピエロをイメージした大きな口や赤い鼻、目の周りに思い切って色をぬりたくるペインティングなども人気です。子供の肌をいたわるために、エコールによっては敏感肌にも優しい素材でできたペインティングを用意していることもあります。

毎年恒例パリのカーニバル

今年で18回目を迎えるパリ市のカーニバルが、2月15日(日)に行なわれました。この日は、パリ20区のガンベッタ広場で13時から行進を開始。今年の仮装テーマは、騎士、ドラゴン、城主。パリの全エコールが、2週間のバカンスに突入したため、親子で参加するフランス人が大勢見受けられました。とても寒い時期だったため、子供たちのほとんどは、厚手のダウンコートの下から衣装をのぞかせる格好になってしまいました。

しかし、お揃いの衣装をつけて鼓笛の行進をしたり、ダンスを披露したりする大人たちのパフォーマンスに圧倒されながらも、刺激的なパレード見物を楽しめる機会になりました。他にも、いくつもの画用紙をつないで再現した大きなドラゴンが街中に出現する様子も見られ、カーニバルは、18時まで盛大に続きました。

フランス一の盛り上がりを見せる「ダンケルク」のカーニバル

フランスで最大規模のカーニバルと言われているのが、北部の街ダンケルクでのカーニバルです。このカーニバルは、「謝肉祭」と時期がほぼ重なるものの、その起源は別にあります。18世紀のダンケルクでは、アイスランドの海に半年間に渡って漁へ向かう漁師たちのために、祝宴を設けていました。この地域の慣習に根付いたカーニバルは、他の地域に比べるとより大衆的で、誰でも気楽に参加できることで知られています。

カーニバルは約2カ月半にもわたって、街の各所で行なわれます。かつらや派手な衣装を身につけた人々が出そろうため、街中が華やかに色づきます。顔に施すペインティングも大胆で、カーニバルへの気合いが感じられます。一番の見どころは、伝統の歌を大合唱するバンドで、老若男女が一体となって参加します。大人がこれだけ盛り上がるのですから、小さい頃からその様子を見ているダンケルクの子供たちにとっては、1年に1度の大祭典なのでしょう。

 

 

参考