リアルバービーではなく「ありのまま」が一番!

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アメリカで女の子から羨望の眼差しを浴びる着せ替え人形といえば、バービー。輝くブロンドヘア、青い瞳、スーパーモデルのような抜群のスタイルで、1959年の発売以来、その華やかな容姿に憧れる女の子を惹きつけてきました。ところが、最近になって、バービーのあまりに非現実的な「理想化された」容姿に、疑問を唱える声も生まれています。そのようななか、今アメリカで人気を高めている、本来の女の子の姿に近く、そして個性豊かな新しいタイプの人形をご紹介します。

バービーだけが理想ではない?

バービーを人間のサイズに置き換えた場合、ウエストは約41センチ、手首周りは9センチで、足は腕の長さの2倍とかなり長め。「その非現実的なプロポーションを理想とするような風潮は、女の子の美意識を過剰にし自己否定の要因となるのではないか」という意見が、ここ数年で交わされるようになっています。また、アメリカには、アフリカ、南米、アジア系と多様な人種が暮らしており、それぞれが身体的特徴を持つことから、白人でブロンドの人形以外のものをもっと作ってほしいという声も上がってきました。

アメリカ人の平均体型がモデル

そういった声を反映して、昨年発売された「ラミリー」は、アメリカ疾病予防管理センターが発表した19歳のアメリカ人女性の平均体型をモデルに作られました。バービーよりも身長は低く、体つきもふっくら。髪はダークブラウンで、肌は少し褐色を帯びており、メイクも自然で健康的な印象。また、関節が多い設計になっていて、バービーよりもスポーティーで多彩なポーズをとることもできます。そして、驚くのが別売りのシールセット。ニキビ、ほくろ、擦り傷、そしてなんと脂肪のデコボコのセルライトを貼り付けて遊ぶことができるのです。そんな女性の悩みに直面するような現実味があることも話題になりました。

このラミリーは、もともとアートプロジェクトとして作られたものでしたが、商品化のために、インターネットで資金を募ったところ、50万ドル(約5千万円)が30日で集まりました。昨年11月に一体25ドル(約2500円)で販売が始まると同時に、メディアでも大きく取り上げられ、売り上げを伸ばしています。

豊富なバリエーションを揃えた人形、アメリカンガール

成長を続けている、もうひとつの人形ブランド「アメリカンガール」は、そうした現実的で親しみやすい人形の先駆け。体長約43センチ、子供が抱くことできるサイズで、9歳から11歳までの女の子をモデルにしています。「Just Like You(まるであなたのよう)」シリーズは、肌、髪、瞳の色のバリエーションが豊富で多様な人種に対応しており、これまでに発売されたのは、全部で61種類にものぼります。「Girl of Year(今年の女の子)」シリーズでは、個性ある新作人形が毎年発表されています。例えば、今年の人形「グレース」は、ブラウンヘアで、ソバカスのある女の子。彼女を主人公にした絵本も一緒に販売されており、お菓子作りが大好きで、ケーキ屋さんを開く夢を持つというような、物語が描かれています。このように、一体一体の人形に、ストーリーや個性が与えられているのも魅力です。

障がいを持った人形の需要も

昨年、アメリカンガールファンの10歳の少女がある嘆願をインターネットで公開しました。 筋力が次第に萎縮していく難病を抱えているその少女は「障がいを持った人形を発売して、障がい児の生活の難しさを物語で伝えてほしい」と訴え、ニュースになりました。2012年から「アメリカンガール」は、聴覚障がいのための補聴器や車いすなどを、別売りのアクセサリーとして、すでに販売しています。障がいを持った人形の制作決定は、まだされていませんが、今後の展開が期待されます。

自分自身に誇りを持つために

自分により近いスタイルの人形と遊び、その人形を大切に思うことは、自分が誰もが認めるようなスタイル抜群の美人でないにしても、自分自身の個性を認め、誇りを持つことにつながります。そしてまた、さまざまなタイプの人形と遊ぶことも、社会の多様性を自然に受け入れるきっかけになるといわれています。こうした世論は、次第に強まっており、これからさらに、人形の容姿や個性は、多様化していくことは間違いないでしょう。

参考: