シンプルだけど奥が深い!オランダ発こどもの想像力と集中力を育てる積み木

世界の子供たちが思わず夢中になる、長方形の積み木、「KAPLA(カプラ)」。設計図や組み立て見本を一切提示することなく、子供の想像力および創造力を育てることを追求した、極めてシンプルな造形ブロックです。サイズは全て同じで、0.8×2.4×12.0cm。この細長く薄い板を使って、いろいろな形の造形物を作り上げていきます。

参考:KAPLA

 

お城づくりが夢だったオランダ人が考案

考案者であるオランダ人のトム・ブリューゲン氏は、10歳の時からフランスにお城を建てたいという夢を持っており、美術史を学んでいました。その夢を叶えるべく、ある日フランスで見つけた古い館を手に入れ、修復のための模型造りを始めたのです。「どうやったらスムーズに模型を完成させられるか」と模索するうちに、材料として使用する板を全て同じ大きさにすることにたどり着いたといいます。こうして15年間、試行錯誤を繰り返し、1987年に今の「KAPLA」が完成。子供たちでも簡単に遊べる「おもちゃ」として広まっていったのです。ちなみに、「KAPLA」とは、オランダ語で「こびとの板(kabouter plankjes)」という意味を持ちます。

綿密な計算から生まれた、薄くて軽い「積みやすい」板

「KAPLA」は、一つひとつの板のサイズが、全て「1:3:15」の比率からできており、とにかく軽くて積み上げやすいのが特徴。そのため、ドミノ倒し、動物、家、乗り物にいたるまで、子供たちがイメージした物をより作りやすくしてくれます。この三辺の比率は、「黄金比」と呼ばれており、積み上げていく際にも形が整いやすく、通常の積み木遊びよりもよりディテールを作りこむことができるといわれています。

 

1枚1枚同じサイズで、正確に裁断された板は、全てフランス南西部のランド県で採れる海岸松を使用しています。この木材は、軽量で、年を経ても反りが生じにくいため、長く使い続けることができるのです。また、積み木といえば、「崩す」のも楽しみのひとつ。ブリューゲン氏はそのときの音にもこだわり、「心地よい」と感じる音を出す、この海岸松を選んだといわれています。

 

右脳と左脳を同時に刺激し、集中力をも養える

絶妙に計算されたつくりもさることながら、「KAPLA」は右脳と左脳とを同時に使いながら遊ぶことができるため、単なる遊び道具の域を脱した存在になっています。フランス文部省では、このおもちゃを積極的に推薦しているため、フランスの幼稚園に「KAPLA」があるのは珍しいことではありません。

「KAPLA」で物を作る際、その形をイメージする想像力や、新しいものをゼロから作り出す創造力が必要になりますが、これには右脳が使われます。右脳が刺激されると、芸術的な才能を発揮できるといいます。一方、「1:3:15」の比率の板を積み上げていく過程では、数学的な計算も必要になり、左脳を使うことになります。この比率を考えながら1枚1枚組み立てることで、3次元で物事を処理する能力も発達するのです。さらに、「KAPLA」で確実に作りたいものを完成させるためには、集中力や忍耐力が必要になるため、これらが自然と身に付くという利点も指摘されています。

 

「KAPLA」を使って作れるもの

「KAPLA」は、1箱40ピース入りのものから、100ピース、200ピース、280ピース、1000ピース入りのセットまで揃っており、3歳の幼児から大人にいたるまで、年齢に応じて選ぶことができます。高く積み上げて遊ぶだけでも満足する幼児ならば、40ピースでも十分かもしれません。でも、動物や船、お城などを作りたいのであれば、100~200ピースのものを選ばないと足りなくなります。1996年、考案者のブリューゲン氏は、2万ピースもの「KAPLA」を使い、「パリの街並み」という作品を作り、話題を呼びました。全長4mにもわたるこの大作は、フランス国立衣装美術館に展示されたそうです。また、子供広場などでは催しの一貫で、「KAPLA」の積み上げに挑戦するところも多く、現在の最高記録は18mと報告されています。

 

一度始めたら子供が熱中してやまないといわれる「KAPLA」。大人でももちろん夢中になってしまう造形ブロックは、親子で一緒に何かを作る喜びをも提供してくれます。

 

参考: