オランダの子供が「世界一幸せ」な理由。優れたオランダの優れた幼児教育を探る

ユニセフ(国際連合児童基金)がほぼ毎年発行している「イノチェンティ レポートカード11 先進国における子どもの幸福度」では、5つの分野で順位付けを行ったうえで、総合順位を決定しています。2013年の調査では、先進31か国のなかで、オランダの子供の幸福度は総合1位でした。今回は、この高順位の大きな要素となった「教育」の分野に焦点を当て、なぜオランダの子供の幸福度が高いかを考えていきます。

世界が認める、オランダの教育の豊かさ

上記でご紹介したユニセフの調査では、「教育」分野の評価を行う際、次の2つの要素を考察しています。

・就学率

・学習到達度

また、このうち「就学率」に関しては、次の3つの指標を測定しています。

1. 就学前教育を受けている子供(4歳~義務教育開始年齢)の割合

2. 高等教育を受けている15~19歳の若者の割合

3. 就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない15~19歳の若者の割合(ニート率)

オランダはこれらのいずれの指標においても10位以内に入り、「教育」分野では2位となりました。ちなみに、1位は日本ですが、これは学習到達度テストが好成績なことが主要因であり、「就学率」では、いずれの指標においてもオランダが勝っているという状況です。

オランダの「子供の幸福度」を支える幼児教育

オランダの子供は、早くから教育を受けることで、高等教育を受ける意志を持ち、自分の道を探す力を身に付けることができるようになります。何といっても幼児期からの教育環境がなせる技でしょう。そこで、オランダの幼児教育のなかで、2歳半から7歳の子供たちに行われるという、「ピラミッドメソッド」について触れてみます。

ほかの国もマネするオランダの「ピラミッドメソッド」

「ピラミッドメソッド」は、心理学者のピアジェやヴィゴツキーなどの教育理論をベースに、旧オランダ政府教育評価機構(Cito)が開発し、認知されている幼児教育法です。詰め込み式で物事を学ばせるのではなく、子供が思ったこと、考えたことを尊重し、その決断を見守るなかで個々の才能を伸ばしていくのです。このメソッドは、ドイツやアメリカをはじめ、日本でも一部で導入されつつあるといいます。

個々が興味のあることをしながら学ぶ「ピラミッドメソッド」の考え方

このメソッドでは、子供の発達を、「個性」「情緒」「知覚」「言葉」「思考」「空間と時間の理解」「運動」「芸術」の計8つの領域に分類しています。また、画一的な保育ではなく、それぞれが好きなもので遊ぶなかで、ルールを身に付けていくことを目指します。

ピラミッドメソッドを理解するうえで重要なのが、以下の4つの考え方。これらを土台として、子供たちそれぞれの発達段階に合わせた「導き」を行っていくのです。

1.「人から認められたい」「自分に自信を持ちたい」という欲求が満たされることで子供に自主性が育まれます。その結果、子供の力が発揮されます。

2. 子供に働きかける保育者のとるべきアクションをも定め、見守る側の姿勢の重要さも訴えています。

3. 子供と保育者が「寄り添う」ことで、信頼関係を築き、その結果、子供は安心して探索活動に集中できます。またこの信頼関係は、今後他者との信頼関係を築く基盤にもなります。

4. 目の前にある物事だけで学ぶ段階を経て、「目に見えないもの」にも焦点を合わせた学びを実践します。徐々に外の世界や抽象的な世界へと導くなかで、表現することに挑戦させます。

幼児期から身に付いた自主性や自信が幸福度につながる

オランダの幼児教育において大切なのは、自主性を身に付けさせ、自分の選択に自信を持たせ、個々の才能を伸ばしていくこと。これは、「規律」を重視するあまり、「あれもこれもダメ」と切り落としてしまう教育にはないものです。

オランダの子供たちの幸福度が高いという背景には、このようなメソッドによって幼児期から身に付いた、自主性や自信といったことが影響していると言えそうです。

 

 

参考: