2歳半から始められるフランスの就学前教育

フランスには、日本の幼稚園に相当する、エコール・マテルネル(école maternelle)というものがあります。日本との違いは、「就学前教育」と称して、義務教育が始まる6歳までに、「就学する準備」をしっかりとするところ。多くの子供が3歳から通い始めますが、この年齢からすでに「学ぶ」ことに重点を置いたプログラムが組まれているのです。

 

オムツさえとれれば、2歳半から通えるエコール・マテルネル

エコール・マテルネル(école maternelle)には、日本の幼稚園の年少組、年中組、年長組、にあたるものとして、プチ・セクション、モワイヤン・セクション、グラン・セクションの3つのクラスがあります。プチ・セクションは、きちんとトイレに行くことができれば2歳半から入ることも可能です。

 

フランスの「就学前教育」率は世界1位という統計も

2007年の統計では、フランスの約23%の2歳児が、また、95%の3歳児がエコール・マテルネルに通っているという統計が出ています。また、2013年のユニセフ報告書「先進国における子どもの幸福度」の調査分野のひとつ「就学前教育就学率(4歳〜義務教育開始年齢)」においては、先進30カ国のなかでフランスがトップになっています。

 

3歳で曜日が言え、ポエムを暗記する

「学ぶ」ことが目的のフランスのエコール・マテルネルでは、いったいどんな内容のプログラムが組まれているのでしょうか。教師を読者対象とするフランスの雑誌「LA CLASSE maternelle」には、その詳細が紹介されています。

 

例えば、2歳半~3歳児のためのクラスのプチ・セクションでは、自分の名前が書かれたマグネットを、毎朝テーブルの上から探し出し、ホワイトボードの決められた場所にはるという活動があります。これは、文字を学ぶ最初の段階で、自分の名前でいくつかのアルファベットを識別するという目的があるようです。

また、「母の日」や「父の日」に贈るポエム(詩)など、フレーズの単位で言葉を暗記するといったこともできるようになります。この学年の初期段階で、すでに月曜日から日曜日までをリズムにのせて言えるようになり、「今日は何曜日」という意識が芽生えます。また、鉛筆を握る練習も行います。線を引くことから始め、徐々にアルファベットが書けるようになります。

 

ものづくりの時間「アトリエ」で感性を磨く

一方、「アトリエ」と呼ばれる、ものづくりやお絵描きの時間も充実しています。アトリエの活動は少人数で行うので、教師が一人ひとりの進み具合を見ながら、困っているときには、手を差し伸べることができます。

たとえばクリスマスには、雪に見立てた綿を用いてクリスマスカードを手づくりすることもあります。できたカードは家に持ち帰り、パパやママと一緒にサンタクロースへのメッセージを書いて、プレゼントをお願いするのです。こうしてアトリエでは季節の行事を意識した創作活動が行われ、子供たちは周りの世界を表現する感性を少しずつ身に付けていくのです。

 

子供の学びに寄り添う、色彩あふれるかわいいグッズ

こんなフランスの子供たちが、家でも学校で習ったことを表現し、さらに発展させることができるものに、布でできた色彩豊かなカレンダーがあります。

この「わたしのカレンダー」には、「何年」「何月」「何日」「何曜日」という情報だけでなく、「季節」「天気」「習い事」「気分」なども選んで貼ることができます。基本的に、モワイヤン・セクションの4歳から使えるように作られていて、エコール・マテルネルで習ったことを毎日定着させていくのにぴったりなグッズです。やさしい感触のフェルト生地と明るい色づかいで、子供の成長を日々見守ってくれます。

 

フランスではこのように、2~3歳からすでに、エコール・マテルネルでも家庭でも、学ぶ楽しさを育む環境が整っていることがうかがえます。このような環境があれば、子供たちは自由にのびのびと感性を伸ばすことができるのではないでしょうか。

 

参考