幼児期の遊びで色彩感覚を養う!ブラシを使わず手で直接描くフランスの幼児用ペイント

小さな子供にとって、絵を描くのは重要なアクティビティのひとつです。親が子供に絵を描く時間を持たせるように心がけると、芸術的な感覚を発達させることができます。また、子供は、自分を肯定的に受け止めるようにもなっていくといわれています。

 

3歳前の幼児が絵を描くということ

3歳前の幼児は知能が発達途上にあるため、絵を描いてもまだ漠然としたものが多く、何を描いているか判別がつきません。また、筆圧が定まらないなどの問題もあります。この年齢の子供はクレヨンを握り、線を引くことだけで精一杯なのです。

3歳くらいになると、円を描くにしても、始めと終わりがきちんと閉じた円を描けるようになります。

そして、徐々に何かを絵で表現できるようになってくると、人の顔を円で描いたり、そこに耳や目、髪の毛を加えてより具体的な表現をするようになります。こうして、日頃から無意識のうちに観察している事象を、うまく表現できるようになっていくのです。

 

幼児が自由にお絵描きを楽しめる「手のひら」ペイント

フランスには、1歳半から3歳くらいの子供でも使いやすいお絵描きの絵の具があります。子供たちは、自分の手のひらに好きな色の絵の具をつけ、手でペタペタと絵を描きます。

子供が好きな色を好きなだけ使えるように、パレットの上に適量の絵の具を出してあげましょう。そうすれば、パレット上では、思いつきに従って、自由に色を混ぜる楽しみも味わえます。

この「手のひら」ペイントでは、手のひらにべったりと絵の具をつけ、ペタペタとカラフルな手形を画用紙一杯に広げる子供もいます。一方で、指先につけ、グルグルとうずを描いたり、絵の具が多い箇所を均等な厚さに伸ばしたりしようとする子供も。また、指でなぞった跡が模様をつくり、凹凸をつくっていくため、立体的なお絵描きをすることができます。

こうして好きな色を手につけていくだけなので、筆圧がさだまらないことによる「描きづらさ」とは無縁になり、色を選ぶ楽しみが倍増します。「この色とこの色を混ぜると、違う色になる」という発見も早い段階から体験できるのです。

 

「手のひら」ペイントを使って動物を表現する面白い絵本も

フランスでは、この「手のひら」ペイントでの動物の描き方をまとめた絵本も出ています。

親指や人差し指、中指などの腹を使い、まるで拇印(ぼいん)を押すかのような要領で、動物の顔や体を表現していくのです。ねこ、いぬ、かば、ぶた、うし、やぎ…どの動物も、2ステップから4ステップで完成する簡単なものばかりなので、幼児でも描くことができます。また、子供はこの段階で、親指、人差し指など、指の名前も覚えることができます。

 

視覚と触覚、両方の発育を助ける「手のひら」ペイント

「手のひら」ペイントの良さは、カラフルな絵の具を直接触ることで、視覚と触覚の両方の発達が促される点にあります。また、線の太さや画材の握り方などの制約がないため、枠にとらわれない自由なクリエイティビティを培えるといわれています。知育教育としても効果がありそうです。

 

「色を自由に操る」というフランス人流の発想

フランス人は、服装でもビビットなカラーを大胆に取り入れたり、中間色をうまく重ねたりしますし、カフェのインテリアにも独特でカラフルな色を使ったりしています。今回ご紹介した子供の手や指に直接ペイントをつけて、自由に描かせるという「手のひら」ペイントが、色を自由に操るという感性を育んでいくのかもしれません。

 

参考